2008年11月10日月曜日

LIPSYNCH

先日、ROBERT LEPAGEの作品がマドリッドで上演されることになり待ちに待ったという感じで見に行きました。この作品、偶然夫の兄弟が出演しているということもあり、今までになく期待の作品でした.
映像の魔術師と知れるLEPAGEの作品ながら、タイトルから見ても想像いただけるように、音声に重点を置いた意外な作品。電話での声、ラジオの声、機械から流れるデジタル音声、オペラを奏でる歌声などが、国境を越えてフランス語、英語、ドイツ語、オーストリア語、スペイン語を交えて入り乱れる。ストーリーは、LEPAGEお決まりのメロドラマ風な人間関係なのですが、(筋立てだけでも分かりやすいくてほっとするのは私だけでしょうか.)細かいスケッチが、最後には一つの筋立てになっているという設定.
歌もかなりのウエートを占め、オペラ出身のレベッカとロック出身のリックの歌声はムード作りに一役買っているのですが、実は、このリックという俳優は、カナダでミュージカルやコメディーで活躍する俳優で、4カ国語を操る、そして、ロックでも、ヘビーでももってこいの多彩なアーチストで、この上演で初めてオペラに挑戦したらしいです.
ひいき目で見た私の感想ですが、9時間続いたとは云え、全く疲れを感じさせないものでした.舞台のセッティングも気の利いていて、まさに現代のトップに行く監督らしい作品でした.観客も全体的に気に入ったようで、席を立った人はあまりいないようでした.(スペインの公演は9時間上演の2日間は満員状態でした。)
知り合いの中には、”9時間ブッ続けはちょっと。。。”という人もかなりいて3日間にわたって3時間づつ上演した方を見に行ったようですが、9時間続けて上演したものの方が見応えがあるようです.
付け足しですが、偶然なのか、劇場のすぐ前に、中世風のマーケットが開催されていて、スペイン各地の郷土物産を食べさせる屋台がたくさんでていたので、休憩の度にタコだのリブノバーベキュウだのをガリシアの白ワインリベイロで楽しむことが出来、ダブルにラッキーな1日でした.