2009年1月23日金曜日

ジョギング再開!!

はたち少し前より今までずっと欠かさないのがジョギング.時期によってお休みしたり、走りまくったり、怠けがちだったりかなりムラはありますが、それでも20年間続けているからすごい.何かと飽きっぽい私にしては大記録です.子供が生まれてからは、例年のごとく,12月と1月は、何かと忙しく、慌ただしいため、ほとんど走るのをやめてしまっていましたが、やっと10日前に、改めてジョギングを日常のプランに再導入したところです.私はかなりむきになって走ってしまう方なので、1日に走るのは3kmときめて、速度も時速10kmを基準にして、ジムのマシンで走ります.特に冬は雨が降ったり,地面がぬかっていたり、とても寒かったりと、くじけ要因が多いのでジムベースで走ることにしています。とくに、子供が器械体操や水泳の教室に行っている間、横のジムで1時間ほど待ち時間を有効に使えてしまう,一石二鳥のプランです.
去るクリスマスにはクリップ式のグリーンのIPODを義理の姉よりプレゼントされたので、いままでのナノに取って代わり、Tシャツにクリップを挟み最近のお気に入りのBEEGEESをセッティングして満喫。ここだけの話ですが,私のジョギングのスタンダードなスタート曲は数年前よりKOOL & THE GANGのCHERISH。音楽のテンポと歩調がちょうど合うのです,以外と。
ジョギングをし始めて気づくのは、寝付きが良くなる,寝起きが爽やか、テンションがあがる,機嫌が良くなるなど。走った後の清々しさは,何よりも代え難いもの。おまけに、体型をキープしてくれるとあれば,何も言うことはありません!!10年以上前にマドリッドのとあるホテルで働いていた際,マドンナが何度か訪れていたのを目撃しましたが,毎日欠かさなかったのがジョギング.別人のような姿で誰にも気づかれずにその辺りをジョギングしていたようです.彼女のパワーも、フィットした体型も、ベースはあのジョギングなのではないかと確信しています。(勿論それだけではないでしょうが.)
そうそう、この再開を記念して、アディタスのグレーの膝丈のランニングタイツと、アシックスのゲルトライアルシューズを購入。(昔から固くアシックス派です!!)この上に母より最近プレゼントされたヒョウ柄のダウンベストでジム通いと、ジョギングスタイルもばっちりです。皆さんもいかがですか?病み付きになります!!ジョギングファンの方がいらしたら,是非コメント下さい。


2009年1月10日土曜日

FABADAースペイン冬の豆料理


冬の寒さが本格的に厳しくなってきた頃に食べたくなる料理が、この”FABADA(ファバダ)”です。FABEと呼ばれる大きめの白豆を、チョリソーや、モルシーヤと呼ばれる血の入った腸詰め、豚の耳やしっぽ,もしくは豚足などと煮込んでいただくこってりしたお料理です.私もこのお料理をこちらに住み始めて間もない頃、とあるレストランでお呼ばれでいただいたのですが、このボリュームのあるお料理をこってり出され,何とか無理して食べ終えたとほっとした矢先、豚の丸焼きが登場したときには、さすがに顔色が変わってしまったことを覚えていますが、普段は一品料理として、もしくは、おつまみとして数人でお皿を囲みながらワインを飲む,という具合にいただきます。かなり重たいので、赤ワインを飲みながらお楽しみいただくのがベストです.
料理好きの私ですので、こちらのお料理も自宅で頻繁に作るのですが、どうも、姿がそのままの耳や足などは取り扱いをはばかれるので、(スペインでは、結構毛がついていたりして、リアルで怖いのです!!)その代わりにスペイン製ハムの骨、パプリカとニンニクにつけたリブの乾かしたものを使います。
コチラはCODILLO(コディーヨ)と呼ばれる熟成ハムの骨を輪切りにしたもの。かなり肉がついています。
こちらは左より、チョリソー、コスティーヤアドバダセカ(味付けされた骨付きリブを乾かしたもの)、豚のあばら肉、モルシーヤ。

こちらが今回の主役、白豆(JUDIAS BLANCAS/フディアスブランカス。これはカスティーヤ、レオン地方のものですが、アストウリアスの白豆(FABAS)も有名。

材料:6人分(スペインの基準です)
巨大白豆 500g*
モルシーヤ 2個*
チョリソー 2個*
コディーヨ 1個*
味付けリブ 1個
豚バラの塊 100g
タマネギ 大1個
ニンニク 4片
サフラン 4本
パプリカ 1さじ
オリーブオイル 100cc

*印のついた材料は地方によっていろいろな種類がありますので、アストリア地方のものを取り寄せれば確実です。

<作り方>
1.白豆は1日前に冷たい水に浸けておく。
2.すっかり水を吸った白豆をたっぷり水に浸った鍋で冷水からゆでる。
  沸騰したらザルに濾して、前もって冷水をたっぷり張った鍋に入れ替える。
3.この鍋に、剥いて4つに切った玉葱、剥いたニンニク丸ごと、パプリカを入れる。
  このときに、水がちょうど豆をかぶるぐらいの量になるよう調節する。
4.この後,モルシーヤとサフラン以外全てを丸ごと入れて火にかける。
5.一度煮立ったら弱火にして、少なくとも3ー4時間は煮続ける。
6.豆がすっかり柔らかくなってきたらモルシーヤを入れ、さらに30分だけ煮る。
7.火を止める前に、サフランを良く摺り潰したものを煮汁に混ぜてから鍋に加える。
塩も最後に加えて味を調整する。
8.よく煮えた豆を4/5個すり潰して煮汁に加えるとよりとろりとした仕上がりになる。

注意:豆料理は、出来立てより1日寝かした方がよりおいしくなるので、お召し上がりになる1日前に作っておくことをお薦めします。
チョリソーなどは,食べるときに別に切り分けてお皿に盛り分けて下さい。

スープをパンに浸しながら食べると,さらにおいしさ倍増です。

では、BUEN PROVECHO!!



THE RAKE´S PROGRESS

すっかりROBERT LEPAGEファンになってしまった私.1月11日のマドリッド公演を前にした9日の最終リハーサルの招待を受ける幸運に恵まれました。会場にはアルモドバー監督をはじめとした、現代のスペインのカルチャーシーンをリードする有名人達の姿が目立つ、期待の多いリハーサルという印象.
RAKE´S PROGRESSは, William Hogarth の同名の作品に魅了されたStravinsky の作曲にW.H.Auden,Chester Kallmanの台本で成るオペラ作品。ロシア生まれのストラビンスキーは渡米後の1947年、シカゴ美術館で18世紀の画家W.H.の展覧会観る機会に恵まれ、そこでインパクトをうけた作品RAKE´S PROGRESSと同名のオペラに取りかかり、51年には初演にこぎ着けている。確かに、8枚からなるこの作品、風刺的要素も強く,題材は興味を引くもの。とは言っても、この作品からはインスピレーションをうけたという方が正しいかもしれない。実際のオペラはどちらかというと、ファウスト的で、実際の絵画からの物語をそのまま取り扱ったというより、永遠の価値観を語る寓話の要素が濃い。新しい発見を求めて、もともと知識の深い絵画や書物と深く関った彼は、他にもピカソやコクトーなど当時の先端をゆくアーチスト達ともコラボレーションしていたらしい。
前置きはともかく、この公演の素晴らしさは,何といってもROBERT LEPAGEの演出。原作では18世紀のロンドンが舞台なのに反し、こちらの舞台は50年代のアメリカ.全く奇をてらってかのようですが,実際のところ、台本が書かれたのも50年代のアメリカで、ROBERTはそんなところに目を付けたのでしょう.彼らしいあっと息をのませる効果も様々で、特にサテンのベットに沈み込む二人がそのまま床に吸い込まれてしまう場面や、DAVID HOCKNEYを思わせるプールサイドのシーン、背景にビデオを使用した舞台設定など、シンプルで簡潔ながら小手の利いた仕掛けも楽しめました.話の筋も、悪魔との取引で、正体知れぬ叔父の遺産を相続することになり金持ちになった男が、恋人のことも忘れ、ギャンブルや女に札束をばらまき放蕩し、最後にやっと本当の愛に目が覚めるが、悪魔の呪いで気が狂ってしまうというものなのですが、放蕩のさなかに見境なく結婚してしまう相手の女が現実離れした巨大な鬚女で、体中に毛が生えまくっているのには爆笑してしまいました。しかし、実際このヒゲ女というもの、20世紀前半の見せ物に実在したという話。
事前学習として,ネット検索でサンフランシスコ公演やロンドン公演に関する記事を読みましたが、その辛辣さはよく知られているとはいえ、ロンドンの記事にはかなりひどいものがいくつかありました。
ストラビンスキー自体、難度の高い作曲家であるだけでなく,ロンドンからラスベガスへの舞台の移転や、ホックニー的な描写も彼らには枠外で理解出来なかったのでしょうか。
テノールに関する批評はひどいものでしたが、マドリッド公演ではTOBY SPENCERが取って代わり、ルックス,歌唱とも満足なできばえでした。その他の歌手達も、役柄に合わせてオペラ歌手にしてはスレンダーでフットワークも軽い歌手も多く、現代的でフレッシュなイメージでした。そんな中でANNE役のMARIA BAYOの容姿が、他の歌手ほどそぐわないような気がしました。歌声はばっちりでしたが。
全く...ROBERTの世界に,興奮し尽くした夜でした.

付け足しですが、初日を待たずに最終リハーサルの次の日の朝にケベックへ向う予定だった彼ですが,あいにくの雪に見舞われて(マドリッドは雪になれていないため、2/3cmの雪でも大混乱します。)一時空港が閉鎖に。予定の変更を危惧していたところでしたが、結局再運行することになり無事に飛び立ちました。カナダになれている彼のこと.”これっぽっちの雪ごときで.”と感じたことでしょう。

TEATRO REAL ,マドリッドにて。