2009年11月14日土曜日

kaoriさんのマネして昔話-1

スペインに来て、はじめは友人宅にお世話になりました。
もともと、私がスペインに来たきっかけは、NY留学中に結構な数のスペイン人と親しくなったことで、はじめのひと月はNOVOTELに住まう事に。今考えると、超リッチなんですが、バブルの時代でしたので。。。
そんな中、今後どうしようかな〜と思っているときに、NY時代より親しくしていた御兄弟のご両親が、”いい場所が決まるまでうちにいらっしゃい”とご親切にいってくださいまして、折角なのでお言葉に甘えて。。。
ところが、そのお宅、超高級住宅地に位置していまして、バスもメトロもなく、タクシーを呼ばないと当時車の免許もない私には大変に不便な環境でした。(その辺りにお住まいの方、皆さん車でした。)
という事で、数ヶ月後フラットシェアーをもくろんだ訳です。

輸入書専門の本屋さんにそのての掲示板が有るという事を耳にし、早速見に行きました。
ところが!!予想外に、私と掲示板の間には、素敵すぎる若者が。。。フラットシェアーのインフォの電話番号をちぎっている所でした。私もすかさずその電話をちぎると。。。”君もフラット探しているの??”と。

それがきっかけで、英国系南アフリカ人の彼と一緒に住むことになりました。
彼は、その後、生涯思い出に残る友人となった作家T君です。
その他に、友人の彼女のスコットランド人の美術評論家Sちゃんも一緒にシェアする事に。
3人で、JUAN BRAVOのテラス付きの素敵なお家を見つけました。

基本的にT君はいつも家にいましたので、お食事係、Sちゃんは音楽、ムード担当、わたしははじめのうちは学生していましたが、その後仕事を始めたりして忙しくして口ばかりの指示係でした。

疲れてかえってくると、T君の計らいで泡がたっぷりのお風呂が用意してあったり、Sちゃん主催で友人沢山のディナーが開催されていたり、楽しい1年でした。

T君は、南アフリカで生まれ育って、イギリスの劇台本作家のお父さんを持つひとで、アパルトヘイトがまだ有ったアフリカに疑問を持つ青年で、そのためにスペインで放浪生活をしていた模様。いつも何か書いてました。メモとったり。育った環境のためか、頻繁にグランビアやその辺りにいるアフリカ系の不法移民を見つけると、”うちにおいでよ”という感じで、家に連れてくる心優しい青年だったのですが、1日働いて疲れて帰って来て、自分の部屋に電気を付けると、自分のベットに見知らぬアフリカ人がすやすや寝ているのを見つける私の心境を想像してみてください!!

それが何度か続いたのですが、勿論気持ちは察しますので、、、なんとか。。。
ある日、わたし遂に切れました。
ものすごく仕事で厳しい日を送り、疲れ切って帰って来ると、また、見知らぬ男性がすやすやと私のベットで。怒りを抑えて、さ〜お手洗いで用を足してから彼に文句を言おうか、と思いながらバスルームで用を足していると、バスタブでひとの気配が。。。2メートル程のT君が、バスタブの中で小さくなって寝ていました。私に気づいて”Hi!”と言われた時。。。

私でも切れました!!

その後一週間、その日の怒りと、さんざん怒りを吐き出した後の気まずさ、仕事に関しても色々慌ただしい日が続き、T君とは顔も会わせませんでした。ま、そのうち謝ろうかな。あんなに怒る事もなかったな。。と。

そんなことを考えているある日、Sちゃんが仕事先に電話をしてきて”T君が緊急に故郷に帰るらしい”と知りました。
帰宅すると、”今までどうもありがとう。仲直り出来ないままさようならは残念です”という意のメモが。どうやら南アフリカの身近なひとの周りで、アパルトヘイト廃止に関する重大事件が起こったらしく、自分の仲間(白人でありながらカラードの仲間と自称)のバックアップをするのは自分の使命だし、どうしてもその場に居あわせたいので緊急に帰国を決めたらしいのです。

という訳で、けんか別れになってしまいました。

連絡場所も、そのすぐ後にした引っ越しのせいで紛失してしまい、それっきり。
あいたいな〜と、それ以来ずっと思っています。

どこかで再会出来れば本望です。
何だか、最近昔の事よく思い出すな〜。

では。

ヨーロッパ在住の日本人によるブログ

14 件のコメント:

まちょ さんのコメント...

じーんときました。
けんか別れは悲しいですね。
でも普通知らない人が自分のベットにいたら、LINDAさんのように何度も見逃す事なんてできないな~と思います。優しくて素敵ですが・・・心広すぎですよー!笑

nena さんのコメント...

私も疲れて帰って、こんな状況だったらキレると思います。家でカッカしても寝て起きて、また外にでてしまったら忘れてしまうかも。。。でも、こういうのが何度も繰り返されるとちょっとね。
そして、自分の布団に勝手に入られるはダメです。おふろってこちらの方朝だから、お風呂はいらずにねるでしょ−。ダメダメ絶対ダメ。

ともちゃん さんのコメント...

ドキドキしながら読ませていただきました。
バスタブにいたT君のシーンを想像しながら・・・
最後のお別れがまるで映画のようになってしまったんですね。また偶然どこかのブログやFacebookなんかで再会するかもしれませんよ!

ぶち さんのコメント...

作家ではないんですか?
いつもなにか書いていたから作家なのかな?
シェアしても自分だけの空間ってのは必要だからなぁ。。。怒るかなぁ、やっぱり。
名前検索したらでてこないですかね?
この前みたいにふっと情報見つかると良いですね。

LINDA さんのコメント...

まちょさん、こんにちは。
日本からやってきて間もない頃でしたので、他人が自分の部屋に入ってくる事さえ信じられませんでしたが、私、完全対応型なので、説明されれば、ふんふんというかんじで。
彼、ホンット良い人で、彼のためなら何とか無理してあげようという感じでした。
連れてくる人たち、本当に仕事も家もない、アフリカ移民でも違法の人ばっかりだったような。ほとんどNGO状態でした。いつもじゃなかったですよ、勿論。
切れた日は、凄く仕事が大変で、夜中になって泥のように疲れて帰って来た日で、誰にでも当たり散らせるくらいのレベルでしたので、運が悪かったです。
良い人だからこそ、甘えてぶちまけたって所もありますので、余計後悔してます。

LINDA さんのコメント...

nenaさん、こんにちは。
勿論見ず知らずのひとが寝たベットに寝るのは気持ち悪いですが、おまけに大抵家に連れてくるのは殆どホームレス状態のひとでしたので、衛生的にも問題が。。。
疲れて夜中に帰って来て、次の日も朝早く起きなければいけなくて、すぐにでもベットに倒れ込みたいのにシーツもかえなきゃ。。。みたいな感じだったのを憶えてます。

LINDA さんのコメント...

ともちゃんさん、こんにちは。
彼の名字憶えてないんですよ。アジェンダに書いてあったと思うんですが、紛失しちゃいましたし。。。
ない知恵を絞って、このチャンスに行方を追跡したいです。
Sex in the city のキャリーのボーイフレンドJohn Corbettみたいな素敵なひとでしたが、今はどうだろう。何か太ってそう。。。それでも会いたいですよ、やっぱり。長年の後悔が晴れますからね。

LINDA さんのコメント...

ぶちさんこんにちは。
いつもノート欠かさず、鉛筆で色々殴り書きしてましたし自分でも、作家といっていました。南アフリカか、イギリスの新聞にもコラムかなにかを持っていたようです。

彼の部屋にたくさんひとを招待して自分の寝床がなくなるなんて普通の彼でした。自分のものはみんなのもの、という感じで、所有、私有の感覚のないひとでしたね。彼みたいなひとに出会った事がなかったので新鮮でした。いつも上機嫌で、マテリアルに全く固執しない心の広い優しいひとでした。良い経験をしたと思っています。
毎日みんなのためにご飯を作って、、、良いんですが、片付けは全くなっていませんでした。いつも流しが詰まって大変でした。洗ったお皿は、洗剤どころか食べ物がこびりついているのが普通でした。細かい事は一切気にしないおおらかすぎるひとでした。

エレガントな、若く美しいお母様が会いにいらしたとき、”あのおおらかさと美貌はここから来たんだな、と納得したの憶えてます。”

sato さんのコメント...

LINDAさん
こんばんは。昔話まで素敵すぎます!!
でも、実際すごいお話ですね。
またまた映画のよう。。。
本当にそういう心やさしい人っているんですね。
私も最近いろんな国の人と会うことがあり、それぞれの母国事情などを聞くと、日本は平和だなぁ。と思います。
でも、私もホームレスの様な人が自分のベットに寝ているなんてちょっと発狂してしまうかも。。。

Kaori さんのコメント...

ピソをシェアすると、本当いろいろな問題にぶち当たりますよね。

私も、きっと自分のベッドで眠っている他人を発見し続けたら、発狂すると思います。いくら忍耐強くても。
こんな時って、たまっていた色々なうっぷんが怒涛のごとく出てしまって、思いのほか、非難しちゃったりして、後でちょっと後悔…って事になりがちですよね。

Tさんとは、偶然による素敵な共同生活だったのに、喧嘩別れっていうの、辛いですね。
先日の方のように、インターネットで世界が繋がっている今、いつか再会、仲直りできるといいですね!

皆さんの海外での思い出話が聞きたくて、始めたKaori昔話、LINDAさんの昔話もいっぱい聞かせて下さいね! 続き楽しみにしています。

しかし、LINDAさんの周りには作家やアーティストばかり集まってきますね。これも、LINDAさんの持つ魅力なんでしょうね。

LINDA さんのコメント...

kaoriさん、こんばんは。

私、いつもはみ出してましたので、アーチスト系の同じはみ出した人と気が合うのかもしれないです。そういうひとに、特に魅力を感じるのも確かですね。
昔から、ボーイフレンドもアーチスト系が多かったです。結局アーチスト系と結婚しましたし。(笑)

まずは、当時一緒に住んでいたスコットランド人のSちゃんに連絡を試みてみようかと思います。
晴れてT君にコンタクトがとれたら、いいな〜。涙が出てしまうかも、です。

LINDA さんのコメント...

satoさん、こんばんは。
私、もともと大げさなんで、半分ぐらいのつもりで読んでください!
海外に住むようになって、枠にはまらないひとが沢山いるのだな、という事を学びました。良いも悪いも。
T君は、本当、あんな良い人いないな、という感じなのですが、さんざん常識から外れてましたので彼を夫にしたら、大変だと思います。一切損得顧みないタイプでしたんで。若かったという事も有るでしょうが。。人って人生で経験を積むと多少変わりますからね。
私も、今思い出すと、映画のようだったな〜と思います。

モニカ さんのコメント...

人と人とのつながりって、ふしぎですよね。
思っても見なかった人と知り合いになったり、実はつながっていたり。

アフリカ人の彼の心の優しさ、分かります。でもねぇ、自分のお布団に見ず知らずの人が寝ていたら、そのあとなかなか寝られなそうです。Lindaさんのイライラが募るのももちろんだと思います。だって、まずビックリしちゃうでしょ!

喧嘩別れになっちゃたのはざんねんですね。
私も中学のとき同じ部活だった子と喧嘩別れして、それっきりなんです。
なんだか、もやもやがのこりますよね。。

LINDA さんのコメント...

モニカさん、こんにちは。
モニカさんも経験者ですか。
変わった名前なので、綴りからしてなってないようです。
アジェンダを紛失したのは痛いです。

おっしゃる通り、ひととひとって色々な所でつながっているのです。
今日も、ひょんな事で、1年以上前から知っているひとが、別の昔からの友人と南米で10年以上一緒に働いていたと知って、驚愕していた所です。