2009年11月19日木曜日

昔話−2 ”昔、襲われたお話。” /kaoriさんのお話を読んで思い出しました。

kaoriさんのブログを読んで、私も一度だけ襲われた時の事を思い出しました。
レイプではなく、金銭目当てで。

当時私は、オペラハウスとプラザマヨールの間に住んでいたのですが、弟が日本からやってきたという事で、日本人の、とあるカード会社の方が私たち二人をヘミングウェイで有名なボティンに招待してくれました。

その方が必ず背広でびしっといらっしゃるだろうと予測して、私たちもそれなりにしてご招待にあずかり、食後うちへ向って三人でテロテロ歩いておりました。

マドリッドへいらした事のある方々ならも御存知かと思いますが、あの辺り、かなり旅行者が目立つ所で、今はかなりマシになったようですが、当時は追いはぎのような犯罪が多発していたようです。そこに、三人の立派な身なりの日本人がやってきたのですから、飛んで火にいる。。ってやつです!!

怪しい北アフリカ系の3人が前からやってきて、すれ違い様にフランス語で”日本人”という言葉を聞いたな〜と思いつつ、ご招待いただいた方との話に気を取られていたら。。。

急に私のバックが思いっきり引っ張られていました。
勿論、犯人はその3人。

実際私のバックは、全くの空っぽでして、何か有れば弟に払ってもらうつもりでお財布さえ入っていませんでした。急いで家をでましたので。。。
しかし、突然の事で、何が起こっているのか認識出来なかった私、引っ張られたら、こっちも負けずに引っぱり返すという、人間の本能に動かされ、思いっきり引っぱり返していました。おまけに、弟も、何が起こったのか分からず、必死に争う私を見て笑っている始末。

次の瞬間、目の前に立ちはだかったそのうちの一人の手がズボンの中へ。。。その瞬間、”ピストルだ〜”と思い、ダッシュの体制へ。思いっきりの力でバックを引っ張る手を引きちぎり、走ろうとする瞬間、彼が手にしたものが刃渡り20センチ程のアーミーナイフだという事を確認。(ギザギザが沢山ついてました)弟に”走れ〜”と言いつつ、唯一開いていた宗教関係のものを販売するお店に走り込みました。弟も引き続き走ってきましたので二人とも助かった訳です。中にはベールをかぶった尼さんが二人私たちを迎えてくれました。これも奇遇でした。

弟曰く、”お姉さんが昔、負けず嫌いでよく踏ん張って男の子と戦ってたの思い出して笑ってしまった”とのこと。ナイフが登場するまで、事の重大さに気づかなかったという呑気な事実。
カード会社の方も私の逃走を確認後ビビって反対方向に逃げたらしく、全員無事が確認され、ま、めでたしめでたしと言うことになりお開き。

この後、私と弟は何の事無く家に帰宅しました。

そのとたん!
電話が鳴り、夫の声。
”何してたの?何回も電話してるのに全然捕まらないし”
カナリアにシ出張にでていた夫、悪い予感がして何度も電話していたという事。
実際、留守電にいくつもメッセージが入っていました。
うちの夫、こういう事に鋭いんです!!
テレパシーでしょうか。。。
”えっ”とびっくりして、今起こった事を告白するはめになりました。

夫に説明しているうちに、てがわなわな震えてきてしまいました。
やっと、今起こった事が理解出来たような感覚でした。

夫は早速友人に電話したようで、マドリッド在住の彼の友人二人のエスコートで警察ヘ行く事にしました。
家の近所で起こった事だし、同じことがまた起こらないように警察に届けた方がよいだろうという計らいでした。

私の供述書をとる警察官に、”では、あなたはライオンのように勇敢に戦ったのですね。”と言われ、苦笑しつつ、”そうです”と応えると、”物がとれないという事は犯罪者には示しになりますが、命には変えられませんので、次回は対抗しないように”と、厳しく言われました。何と、同じ場所で同じ犯人と思われる犯行がここ1月に何件も有り、外国人旅行者ばかり、二人重症(一人はリュックサックをはぎ取られるときにひもを切り損ねて、背中をざっくりやられたらしい)一人死亡。。。。シャレにならないです。どうせ、中身のからのバックですからとられても全然構わなかったのですが、引っ張るから対引っ張り返しちゃったんですよね。。。本能とは恐ろしいです。
色々写真も見せられましたが、みんな似ていてよくわかりませんでした。

この後、弟は、また、”お姉さん、昔から変わってないね。フルーツポンチ(椅子とりゲームのような物御存知でしょうか。昔、相当燃えてたんです。)での闘争心、失ってないね。”と繰り返し、ま、何も無くてよかったね〜と言う事に。

このあと、kaoriさん同様、当分の間、一人外出は禁止になりました。
何処でも、夫に刑事のようについて回られました。
勿論、キャッシュディスペンサーでお金を下ろすのも禁止。

これは、この後娘が生まれ、目線が娘に移り行くまで結構続きました。
日本人は、かなり目をつけられますしね。
でも、住み慣れたある時期から、全然目をつけられなくなった事に気づきました。
変な所には行きませんし。

皆さんも気をつけてください。

10 件のコメント:

Kaori さんのコメント...

怖い経験ですね。
勇敢に戦ってしまったLINDAさんの行動、ちょっと理解できるかもしれません。
人間、とっさに起きたことへの反応って、
頭ではダメ!って思っていても、反対の行動に
出てしまうことってありますもんね。

引っ張られたから、引っ張り返す、人間の本能だと思います。

でも、私もマドリッドでのひったくり事件で、重傷を負ったというお話、たくさん聞きました。旦那からは、財布をすられても、バックをひったくられても、その場では絶対に抵抗するな!と厳しく言われています。

LINDAさんのように、相手がナイフなどを持っているケースが多いからでしょうね。

ご無事で何より。

弟さんが 昔のLINDAさんを思い出してわらっちゃったっていうの、傑作ですね(笑)
小さいころから、活発だったんですね。

LINDA さんのコメント...

kaoriさん、こんにちは。

人間って、極限の状態に立たされると結構、怖いと感じなかったりするんですよね。
あのとき、”バックよこせ”って言われてたら、素直にわたしたと思うんですが、私のバック引っ張ったのは間違ったプランだったようです。おまけに空でしたし。

弟にとっては、全くの笑い話になってます。
まあ、何も無かったからって言うのも有りますが。あれ以来、このたぐいの怖いおもいした事無いです。最初で最後という事で、幸運なんでしょうかね。

かなり最近、かなり年のいった女性の経営する宝石店に強盗が入った際、その女性、強盗数人と戦って、結果、強盗を追い出したそうです。その女性、顔が、原形をとどめない程腫れてましたが、満足そうでした。本能でしょう。共感しました。息子にさんざん非難されたそうです。

ご察しのとおり、かなり活発でした。
男の子に対して負けず嫌いで、よくつかみ合いしてました(笑)!!!!

sato さんのコメント...

LINDAさんの勇気、すごいです!
私ならどうだろうと考えてみましたが、私は逆にその場の出来事をただ呆然と見送り、結構あっさり取られて終わりそうです。。。

弟さんの呑気さにもちょっと笑えましたが、結果的に大事にいたらなくて幸いでしたね。

私はスリなどにもあったことはありませんが、妹が昔イタリア旅行した際に女の人が近寄って来て、持っていた鞄の中にあからさまに手を入れて何かを盗もうとしたらしいです。
鞄には金銭など入れてはいなかったのですが。

勇敢な女性ってあこがれます。私は口だけで実は小心者なので。。。
でも、くれぐれも危険なことはなさらないように!(笑)

ともちゃん さんのコメント...

引っ張り返すLINDAさんの姿、想像したら傑作ですね!しかもバッグにお財布すら入ってなかったというのに。LINDAさんらしいですね。大事に至らなかったからこそ笑って話せますが、凶器を持っていたなんて、運が悪ければひどい事態になっていたかもしれないんですよね。こわーい!!
私はそこまで怖い目にはまだ遭った事ないです。貧乏そうに見えるからかも?

LINDA さんのコメント...

satoさん、こんにちは。
事の成り行きって怖いですよね。
これを勇敢というのでしょうか。土壇場の底力というのかもしれません。
以前、日本人の鞄からすろうとしていた集団がいたので、注意をしたら、私服警官にその行為を注意されました。逆恨みされて危ないそうです。
satoさんも、意外にその現場に居あわせたら底力出ちゃうかもしれないですよ。

まちょ さんのコメント...

なんと勇気のある行動でしょう!
普通は茫然と取られるのみではないでしょうか? 私だったら唖然として何もできないと思います。 
大事に至らず良かったですね(良かったなんて、変な言い方ですけどね)
私は平和な所に住んでいるので、海外旅行の時は気をつけようと思いました。

LINDA さんのコメント...

ともちゃんさん、こんにちは。

直後には、危険な経験をしたようには思いませんでしたが、警察で色々言われた際に思い返して、危なかったんだな〜と、足がすくむ思いをしました。
ピストルかなと思った時も、結構冷静に”ピストルだ陰に隠れなきゃ”とか、次に巨大アーミーナイフを目にした時も、”ギザギザが痛そう”とか思う暇がありました。
私を知っているひとだったら結構笑っちゃうだろうと思います。

LINDA さんのコメント...

まちょさん、今日は。
これは10年以上前の話ですので、今のマドリッドは、かなり治安がよくなりました。ぼーっとしていなければ大丈夫ですよ。
確かに大事に至らなくてラッキーでした。
対抗して傷を負ったりしたらしゃれにならないですからね。おまけに空のバックの為にそんな危険を犯すとは間抜けだったとしか言い様が無いです。

Banda さんのコメント...

ありますよね~

しかも私の添乗員時代は
マドリッドとバルセロナは
本当に危険地帯で

観光バスでお客様がホテルに到着したら
添乗員だけがバスを降り
ホテルに「着いたよ」って知らせて

セキュリティが表に出て
バスとホテルの間をガードしてる状態で
全員バスを降りる
(っつーか3メートルくらいなんですが)

って感じでした…

泥棒さんはね
住んでる人と観光客を見分けるのは
天才的だと思うっ

だからLINDAさんも
狙われなくなったってことは
やっぱりマドリッドに馴染んでるってこと!!!

いい意味で有難いですよね♪

そうそう☆今回は
ぶちさんにはお会いしなかったそうですね♪
相変わらずの彼女
お元気でしたよ☆

LINDA さんのコメント...

バンダさん、こんにちは。

そうですか、バンダさん、添乗員さんだったんですね。
確かに、日本人観光客団体、目立ちますよね。
もまれていないオーラがでちゃってますものね。
私に言わせていただくと、今や、バルセロナの方が、マドリッドの数十倍危ないですよ。バルセロナへ行く度に思います。やはり港町ですから。外国人観光客も多いですし。

ぶちさん、スペインブログなかま、一回りも間近ですね。バンダさんにもそのうちお会いしてみたいです。わんちゃんと一緒に集まれればおもしろいかも。