2008年5月26日月曜日

ERVA/エルバ


私が、エルバのエヴァとロサに出会ったのはもう10年近く前になります。ナッパに一つ一つ手描きで花を描いたバックのコレクションを仕上げたところで、それらを見た瞬間、その繊細さに惹かれてしまいました。当時はスペインも今ほど経済成長していなかったので、スペイン人には本当に手が出にくい商品だったと思います。特に、スペインは最近では世界水準に達しているけれど、私がスペインに滞在するようになった20年近く前は、旅行者の私にとってかなりエキゾチックなところで、洗練されたブランドを扱うブティックは、マドリッドでも5本の指にはいるくらいしかなかったように思います。結局、バルセロナオリンピックが引き金になったのと、ECへの加入で、かなり厳しい道を歩みつつあるもの、経済成長は遂げたのではないでしょうか。やはり、裕福になると好みも洗練されてきて、日本には立ち後れたもの、今やエルバのバックはここでも主要ブティックには欠かせない商品です。もちろん、ここスペインでも、エルバファンはファッションの上級生のみ。消費者にこびることなく、地味に独自の職人的なバッグを作りつつ、ここまで世界中で知られるブランドになったのは、ロンドンやハリウッドで取り上げられた影響もかなりある筈。やはりいいものを頑固に作り続けることは大切で、超上級ファッショにストたちの目に留まるチャンスを見逃さなかったのもラッキーだったのでしょう。
手描きのバッグを手に取って、“こんなにいい革を使って、こんなに手の込んだバッグ作って、おまけに、手描きで花を描いたら、値段が高くついてしまうでしょう”と、素人のような発言をしたら、”もちろん決して安いとはいえないけどせっかく作るのだから、私たちの作りたいものを作る。”ときっぱり返答されて、さすがだな、と思いましたが、そんな精神が日本のファンにも伝わったのでしょう。これからもすばらしいコレクションを作り続けてほしいですね。
上の写真は、とあるお店で偶然見つけた2つめの幻のWがま口バッグ。

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